|
インドを旅していると、短期間でも何かの祭りに出会うことが多い。ヒンズーに限らず各宗教の祭り、ローカルのものも加えると年中祭りがある。
月と太陽は、インド人にとってシンボリックな意味を持つ。夜毎満ち欠けを繰り返す月は、死と再生の象徴であり、来る日も変わらぬ姿で天空を渡る太陽は不変、不滅の象徴である。インド人は天体の運行を観察することで未来の吉凶を占い、高度な計算によって正しい季節祭の日時を算出した。こうした伝統にのっとり、ヒンズーの祭式は、月と太陽の動きに基づいた太陰太陽暦にしたがって営まれる。
インドでは夫々の宗教ごとに地方色豊かな行事が催されるが、1月26日の共和国記念日、8月15日の独立記念日、10月2日のガンジー聖誕祭などは国家的な祝祭日として全国的に祝賀ムードに包まれる。これらは太陽暦にしたがって行われるため年毎に変動することはないが、ヒンズー暦やイスラム暦に従う宗教行事は、毎年異なった日に開催される。
次に、いくつかインドの祭りを紹介しよう。
-
1月: 『ボンガル(マカラ・サンクラーンティ)(Pongal/Makara Sankranti)』
南インドで2日間に渡って祝われる収穫祭。タミルナードゥ州、アーンドラ・プラデーシュ州ではポンガル、カルナータカではマカラ・サンクラーンティと呼ぶ。人々は収穫に感謝し、ポンガルという甘く味をつけたご飯を食べる。
-
2‐3月: 『ヴァサンタ・パンチャミー(Vasanta Panchami)』
ヴァサンタは「春」のこと。春の訪れを喜び、北インドを中心に祝われる。サラスヴァティー・プージャ(学問と芸術の女神サラスヴァティーへの礼拝)としても行われ、ベンガル、ビハール地方では、女神の神像を担いで行列する。
-
2月末: 『シヴァラートゥリー(Shivaratri)』
インドの中でヒンズー教徒がシヴァ神を祀る。信者は夜通し酸化を歌い続け、シヴァ寺院ではプージャーが行われる。バナーラスやカジュラーホーに居合わせると面白い。
-
3月: 『ホーリー(Holi)』
春の到来を祝って熱狂的に祝われる祭り。北インドを主に、インド中が興奮の渦に巻き込まれる。人々は街頭で色粉や水を相手構わず掛け合って楽しむ。この時期には、白服にべったり色がついたままの人をよく見かける。
-
8月前後: 『クリシュナ・ジャナマ・アシュタミー(Krishna Janama Asitami)』
インドで人気のあるクリシュナ神(ヴィシュヌの化身)の誕生を祝う祭り。マトゥラーをはじめ、北インドの各地で、子供のクリシュナ像を飾って、賑やかな雰囲気で包まれる。
-
8‐9月: 『ガネーシャ祭(Ganesh
Chaturthi)』
庶民に最も親しまれている神様、ガネーシャの誕生を祝う祭りが、毎年8月から9月の間の10日間、ムンバイやブネーで最大に行われる。手のひらに乗るような小さなものから、体長数メートルの巨大なものまで、町中がガネーシャ像で溢れる。
-
9‐10月: 『ダシャラー(Dasara)』
インドの祭りの中でも一番人気のある大祭。国中が10日間、正月休みみたいになるほどだという。北インドでは、ラーマ王子の生涯が野外ステージで演じられ、最後の日にはラーマと戦った悪魔の大きな人形に火がつけられる。派手な花火の爆発とともに燃え上がる光景は見事。ベンガルなど東インドでは、ドゥルガー・プジャーとして祝われる。水牛に化けた悪魔と戦うドゥルガー女神の像が、方々に祀られる。最後の日は人々に担がれて川に運ばれ、惜し気もなく水に投じられる。
-
10‐11月: 『ディワーリー(Dicali)で、ダシャラーの3週間ほど後。富と幸運の女神ラクシュミーの祭り。繁盛を願う商人や幸運を祈る庶民が、家々の戸口に灯明をともし、女神を招く。光の祭りだが、北インドでは花火も飛び交い、ちょっとした市街戦みたいな騒ぎになる。
|